義父

今朝、離れて暮らす義母から聞いた。

朝、目覚めると、誰かがベッドの脇に立ち、覗きこんでいたという。

義父だった。

4年前に亡くなっている。

故あって、義母とも私の相方とも、50年も前に別れてしまった人。

今は相方と私が、ずっと弔いを続けている。

そんな義父が枕元に立ち、義母を覗きこんでいたそうだ。

不思議に怖くはなかったという(ちなみに義母は超怖がり)。「あれ、お迎えかな」と思ったと笑う。

それを聞いた相方が

「あっ!」

慌てた。

ご縁をいただき、義父の位牌を置いていただいているお寺から、秋の彼岸法要の案内が届いていた。

私も相方もそれをすっかり忘れていた。

見れば受けつけ締めきりの日まで、もうギリギリだ。

相方は手続きのために、慌てて郵便局に走った。

ちなみに今年の秋の法要は、相方の誕生日に予定されている。

「会いたいな、娘よ」と、義父は思ってくれたのだろうか。

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この記事を書いた人

占術家、「幽木算命塾」塾長、怪異蒐集家。
算命学、紫微斗数、九星気学などの占術を使い、運命(宿命、運勢)という名の神秘の森に分け入る日々。
オンラインスクール「幽木算命塾」で後進の指導にあたる。
占いで出逢ったお客さまなどを中心にさまざまな怪異を蒐集し、竹書房怪談文庫などで公開も。
奇妙な毎日は、ご神仏とともにある。

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