※物語の内容に触れている部分があります。いわゆるネタバレになるかと思いますので、ドラマを未見のかたはご注意ください。
韓国ドラマについて集中的にブログにアップしていたのは、見直してみると2019年あたり。
そのあともいろいろと見てきているのですが(韓国ドラマファンなので)、ブログでとりあげるのはずいぶん久しぶり、ということになります。
Netflixで『涙の女王』を見ました。
5話か6話ぐらいまでは正直退屈で(個人の感想です)、どうしてこの作品が韓国では『愛の不時着』越えの記録(視聴率が『愛の不時着』を超え、tvN歴代視聴率1位獲得)を打ち立てたのかと不思議でしたが(『愛の不時着』大好きなので)、その後の展開は見事の一語。
はじめてキム・スヒョンを知ったのは『ジャイアント』(大傑作!)で、主人公ガンモの兄ソンモの若い頃を演じていたのを見たときでしたが、あのかっこよかった若者がはや36歳(『ジャイアント』出演時は22歳)。
あの頃と変わらぬ童顔&細マッチョの魅力で、全編「キム・スヒョン・ショー」のような輝きを見せつける主人公ペク・ヒョヌ(ソウル大学法学部首席卒業、優秀な弁護士にしてボクシングの達人、しかも海兵隊特別警護部隊出身で射撃の腕もプロレベルと、まあ完璧にもほどがある王子様)に、私も魅了されながら物語を追いかけました。
財閥一家の跡取りとなる優秀ながらも孤独な女性社長ホン・ヘイン(キム・ジウォン)の夫でありながら、ヘインとうまくいかず離婚を画策するものの、途中から一転、ヘインとの愛を取りもどしてからは、前進、前進、また前進の不死身の献身ぶり。
愛するヘインを守ろうとする一途な姿は、アーノルド・シュワルツェネッガーばりの「愛のターミネーター」そのものでした(敵役に車でひき殺されかけたにもかかわらず、満身創痍で病院を抜けだしてヘインを守ろうとしたときは腰が抜けました)。
ちょっと長かったかなという気は少しします(一話約120分の16話。つまり映画16本分のドラマです)。
ですがその分、主人公のふたりの物語だけでなく、ヘインのダメ弟・スチョル(クァク・ドンヨン好演)が、騙されたと知りながら愛する妻を追いつづけ、成長していくドラマもしっかりと書かれていて見応えがありました(私としては、じつはスチョルのストーリーがとても楽しかったです)。
また、ヘインの家族である財閥一家と、最初は格下に見られていたヒョヌの家族たち(地方の名士ではありますが、なにしろ相手はうなるほど金持ちの財閥一族です)が少しずつひとつにつながっていくエピソードにもほんわかとするものがあり、見応えがありました。
韓国ドラマと言えば、記憶喪失、出生の秘密、不治の病、交通事故、財閥などがお約束で、『涙の女王』も出生の秘密こそありませんでしたが(「出逢いの秘密」はありましたね)、あとはお約束要素のオンパレード。
それでも少し前までの韓国ドラマにはなかった垢抜けた世界観演出でここまで見せてくれるのですから、やはり韓国ドラマは進化しつづけていておもしろいですし、あらためて底力も感じた楽しい作品でした。
ところで、関係ありませんが…
YouTubeなどで『涙の女王 シーズン2』と銘打った予告編映像が公開されているのですが、これはフェイク。
でも、ホン・ヘインとペク・ヒョヌ夫婦の間に亀裂を走らせるような新たな敵役として、ソ・イェジ(『サイコだけど大丈夫』! このドラマのキム・スヒョンもよかったですよね。わたし的にはスヒョンの兄で自閉症スペクトラム障害を持つサンテ役を演じたオ・ジョンセの素晴らしさにハマったドラマでした。ちなみにオ・ジョンセは『涙の女王』にもカメオ出演しています)が出ていて、フェイクだと知りつつ、「こんなシーズン2があったら見てみたいな」と思わせられる内容でした。