川越スカラ座で「ねこしま」を観る

埼玉屈指の観光地、川越は「蔵造りの街並み」

そのシンボルとも言える「時の鐘」から歩いてちょっと。

観光客は誰も通らないような裏道の一角に、埼玉県最古の映画館「川越スカラ座」はある。

1905年(明治38年)に寄席として創業し、1940年(昭和15年)に映画館に生まれ変わったレトロなスポット。

昭和の昔には、どこにでも当たり前のようにあった映画館が、21世紀、令和の今も川越にはある。

とにかく、昭和レトロもいいところの館内は、何十年も前にタイムスリップしてしまったかと錯覚してしまうようなノスタルジックな世界。

うーむ、じつにいい笑。

ただし、スマホのカメラでは館内に漂う独特な空気までは到底とらえきれない。

人々の熱気やさまざまな思い、笑いや涙が染みこんだじっとり重めな空気感を体験したいかたは、川越にお越しの際はぜひとも川越スカラ座にも足を伸ばされたし。

見にいったのは、『ねこしま』というニャーな映画(2023年マルタ共和国)。

日本では猫島(ねこしま)と言えば宮城県石巻市の田代島が有名だが、ちょっとスケールが違う。

田代島(人口約50人)が猫約100匹の猫の楽園なら、マルタ島(人口52万人)はなんと100万匹の野良猫が群生する一大猫天国。

71分ほどの映画『ねこしま』は、そんな猫たちの暮らす天国の島で、猫との共生を図る島の人々たちの姿を、何人かの猫好きな人物にスポットを当てて追う、社会派のドキュメンタリーだ。

事故で前足を失ったナーヌ、交通事故で大怪我を負ったブラッキーなど、かわいいけれどいろいろと考えさせられる猫がわんさか登場し、こんな感想が正しいかどうかは分からないが、結城的にはとにかく癒やされた。

猫好きなかたがたにはお勧めしたい。

それにしても、見よ、館内に掲示されたこのタイムテーブル。

うーむ、じつによろしい笑。

よく知らない映画ばかりだが無性に見たくなる。

動画配信とかだとこうはいかない。

高校時代、せっかく進学校に入ったものの勉強についていけず、劣等生だった私は悶々とすると授業を抜けだし、四柱神社の近くにあった「中劇シネサロン」という小さな名画座の暗闇に逃げこんでは、平日の昼間から映画を見ていた。

なんだ。

やっていることは、あれから50年近く経っても変わらないではないか。

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この記事を書いた人

占術家、算命学ナビゲーター、「幽木算命塾」塾長、怪異蒐集家。
算命学、紫微斗数、九星気学などの占術を使い、運命(宿命、運勢)という名の神秘の森に分け入る日々。
オンラインスクール「幽木算命塾」で後進の指導にあたる。
占いで出逢ったお客さまなどを中心にさまざまな怪異を蒐集し、竹書房怪談文庫などで公開も。
奇妙な毎日は、ご神仏とともにある。

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