先日も、ちらっとアナウンスさせていただきました。
新しい本が出ます。
結城武彦ではなく、私の中から生まれた語り部の「幽木武彦」として、実話怪談を集めた本を出させていただきます。
タイトルは、
この本には、私が日々の鑑定を通じ、縁あって出逢ったお客様から聞いた怖い話、不気味な話、奇妙な話をたっぷりと収録しました。
まさかこんな日が来ようとは夢にも思わずにはじめた、お客様との雑談をつうじた怪異の蒐集でしたが、気づけば怪談はものすごい数にまで増え、竹書房怪談文庫のOさんに読んでもらったところ「出版しましょう!」といううれしい快諾をいただくことができたというわけです。
私は、お客様との雑談が大好きです。
お客様のお話をたっぷりとうかがうのも好きなら、そんなお客様の中から「お客様」として見せて下さっている以外の素顔(人生)のようなものがちらっとのぞき、生き生きとされる瞬間を目にするのも、とても好きです。
「霊感お持ちではないですか?」
算命学には、そのかたに霊感があるかどうかを判断できる目安となるものがあります(100パーセントの確率ではありませんが、けっこう当たります)。
怪談蒐集へと結びついたきっかけは、あるお客様の命式にそのサインを見つけ、ふとなにげなく、そんな質問をさせていただいたことでした。
霊感、お持ちでした。
そして、あれこれとやりとりをする内に、気づけばそのお客様から、ご自身が体験なさった不気味な怪談をうかがう流れになっていました。
興奮しました。
メチャメチャ怖いし、面白かったのです!
こうして私はいつの間にか、霊感アリのサインを持つお客様に、「霊感ありますか?」とうかがい、その流れで(運がよければ)とびきりの怪談をうかがうようになりました。
もちろん、霊感はないし、そういう話(怪異)も体験がない、というかたも大勢いらっしゃいましたし、霊感のサイン云々とは関係なく、奇天烈な怪異譚をご披露くださったかたもいらっしゃいます。
それは、とても刺激的な日々でした。
いつしか私は、私を訪ねてきてくださるお客様と、鑑定が終われば「あのー……」とこうした話をさせていただくようになりました(お客様、この場を借り、あらためて御礼申しあげます)。
そんな日々の蒐集が、一冊の本として結実したのがこの怪談集です。
友人・知人から聞いた怪談も収録しています。
ゾッとする話。
なんだかほの暗く、うしろめたい匂いを感じさせる怪異譚。
奇妙な話。
読後にいやな余韻を残す話。
哀切で、ちょっとグッと来るエモーショナルな怪談。
いろいろな話が一冊の中に入っています。
もしよろしければ、読んでやってください。
算命学怪談 占い師の怖い話/幽木武彦
2020年8月28日発売
妹に恋人を奪われ自殺した姉と同じ名前の人物が不幸を齎す。命式を見ると…「静子」、全柱異常干支という特異な命式を持つ少女が見る霊の正体とは…「茜ちゃん」、自分は長く生きられないと思う――算命学の奥義である寿命計算を依頼してきた若き女性。彼女の義父と義兄の連続首吊り死と赤い花の関係とは…「彼岸花」他、驚異の27話!