私は一人のプロレスファンです。
ですが興味の範囲はことのほかせまく、恥ずかしながら寡聞にして、木村花さんという将来あるプロレスラーのことはまったく知りませんでした。
ですので私が把握していることは、世の多くのかたがたと同様、ネットなどの報道に接して初めて知ったことばかり。木村さんが誹謗中傷を受けるきっかけとなった番組も見ていなければ、誹謗中傷をおこなった側の記事、番組なども見ていません。
木村さんがヒールとして演じ、自らに課していたキャラクターも、まったく知りません。
ですが、本当の木村さんがいったいどんな人だったのかは、とてもよく分かります。
そして本年の木村さんが、すさまじく危険な運気に身を置いていらっしゃったことも。
●2020年の木村花さん(1997年9月3日生まれ)
年運 大運 日 月 年
庚 辛 戊 戊 丁
子 亥 申 申 丑
———–
戊 戊 癸
壬 壬 辛
庚 庚 己
※寅卯天中殺
2歳運(2歳、12歳、22歳という単位で10年ごとの運気=大運が変わっていく)の木村さんは、本年2020年、その大運干支が「辛亥」に変わったばかりでした。
と同時に年運干支として回ってきたのは、本年の干支である「庚子」。
実はこれらは、木村さんにとっては大変危険なものばかりだったのです。
年運 大運 日 月 年
庚 辛 戊 戊 丁
子 亥 申 申 丑
木村さんの日干は「戊」。
土性ですね。
ちなみに現在の、木村さんの命式及び、大運、年運の五行(木火土金水)配分は、
金 金 土 土 火
水 水 金 金 土
という状態です。
ところが、
年運 大運 日 月 年
庚 辛 戊 戊 丁
子 亥 申 申 丑
年運支「子」と大運支「亥」、そして宿命内の年支「丑」が揃うと、
北方三位
という結びつきを発生させ、これらの地支はすべて水性に変化します。
また、
年運 大運 日 月 年
庚 辛 戊 戊 丁
子 亥 申 申 丑
年運支「子」は月支「申」、日支「申」とくっつくと「子申の半会」という合法を発生させ、これまたすべて水性に変化するという特質があります。
つまり――、
金 金 土 土 火
水 水 水 水 水
今年の木村さんは全10干支の内、半分が水性となることになり、これは明らかに「水性過多」。
水性は本年の木村さんの命式内では完全な忌神となり、
忌神大襲来
というとんでもない事態を発生させます。
これだけでも、相当に危険な状態です。
なんらかの災厄が木村さんの身に降りかかってもおかしくないリスキーな状況を発現させていました。
自分の運勢が尋常ではない事態に陥っていることにご本人が気づき、自らブレーキをかけるなりなんなりしなければ、とんでもない展開をまねくかもしれない不安定極まりない状態です。
しかも。
日干が土性(戊)の木村さんにとっては、足もとがすべて水性(=大洪水ですね)というこの不測の事態は、いわゆる「脚下崩壊」的な状態(「脚下崩壊」そのものではありません)。
大洪水となった水性が土性である自分に襲いかかり、土砂崩れを引き起こしてもおかしくない危険な現象を発生させていました。
つまり。
自分自身が、崩れます。
最悪の場合は、死、です。
その上、木村さんの場合は、
年運 大運 日 月 年
庚 辛 戊 戊 丁
子 亥 申 申 丑
「亥申の害」という、病気に関わる散法も同時に発生しています。しかも2つも。
「亥申の害」は肺や大腸のほか、精神面に異常を発生させることがあります。症状が深刻になると、統合失調症のような重篤な病気にすらおちいりかねない、とても危険なものです。
しかも木村さんは、
年運 大運 日 月 年
庚 辛 戊 戊 丁
子 亥 申 申 丑
と、月干支と日干支が「律音(りっちん)」という状態になっているため、この命式から生み出される人体図の、
玉堂星 天印星
鳳閣星 鳳閣星 石門星
天胡星 貫索星 天胡星
「天胡星」という十二大従星が実際に存在する2つだけではなく、3つ、あるいは4つもあるような気質になりやすいのです。
「天胡星」はとてもスピリチュアルな星です。
精神性が強く、人並みはずれた感受性の強さを生まれながらに持つ定めです。つまり木村さんは、そんな取扱注意の星が3つも4つもおありだったのです。
繊細さ、傷つきやすさ。お小さいころから尋常ではなかったはずです。アーティスティックな面もおありだったことでしょう。
また、自己顕示欲にも人並みはずれたものがあったはずです。どこに行ってもアウトローで演技過剰で、変わっている人だと見られ、そうした対外的な自分をコントロールしきれず「天胡星」のユニークな個性が最悪の方向に舵を切ると、
自殺
といった事態を招来してもおかしくない人なのだということを、かつて私は師から学びました。
つまり――、
① 生まれ持った「天胡星」的気質(しかも異常な多さ)
②「亥申の害」がWで発生したことによる精神的苦悶の激しい増幅
③ 忌神大襲来という超危険な状態
④ 大洪水と化した水性群による日干「土性」(自分自身)へのすさまじいアタック
これら複合的な要素がひとつに重なってしまった、あり得ないほどつらい状況だったため、今回のこの悲劇は現実のものになってしまったのかも知れません。
くり返しになりますが、私は番組を見てはいません。
ですが、プロレスもテレビのリアリティ番組も、骨の髄まで「エンタテインメント」のはずです。
そんな、身体を張って虚実の皮膜を生きるエンターテイナーが、精神的に追いつめられて自ら命を絶たなければならなかったなんて、やはり尋常ではないと私は強く感じます。
私たちを楽しませようとした有名人が自らの死を持って騒動に終止符を打たなければならないほど、木村さんは悪いことをされたのでしょうか。
私が敬愛する稀代のスター・プロレスラー、中邑真輔はこう言ったそうです。
狂ってる
私もそう思います。
何かが狂っているように思えてなりません。
木村花さんのご冥福を、心よりお祈りいたします。