このところ、ちょっとお客様からの鑑定依頼が重なったりしたため(ありがたいことです)、少し久しぶりの更新となりました。
台風の影響であまり天気は期待できない中ではありましたが、何とかスケジュールをやりくりし、宇都宮美術館まで車を飛ばして行ってきました。
目的はもちろん――
「水木しげる 魂の漫画展」
会期ギリギリでのすべりこみ鑑賞となりました。
「水木しげる魂の漫画展」は、2015年にお亡くなりになった漫画家、水木しげる先生の93年間の生涯における偉大な画業に焦点を当てた一大展覧会。
先生の代表作である
『ゲゲゲの鬼太郎』
『悪魔くん』
『河童の三平』
の三大代表作の原画はもちろん、出征時代の生々しい体験を漫画化した
『総員玉砕せよ!』
南方熊楠やヒットラー、安倍晴明などを扱った各種人物伝、短編漫画、妖怪画などの原画が多数展示されていたほか、先生がデビュー前(少年、青年時代)に描いていた絵画、実際に使っていた絵の具、妖怪像などまで、たくさんの貴重な品々がたっぷりのボリュームで紹介されています。
小さな頃からの水木ファンとしては、感無量の原画ばかり。
一枚一枚の前にじっと立ち止まっては、それらの漫画を読みふけっていた頃の懐かしい記憶まで思い出しながら、恐ろしいほど子細に書き込まれた背景画や、水木先生らしいキャラクターたちの実際のペンタッチに、ワクワクしながら見入ってしまいました。
子供の頃、漫画雑誌を見ていると、水木しげるの漫画だけが他のページとは違った独自なインパクトを持ってじわじわと迫ってきたことを、今も昨日のことのように覚えています。
じとっと湿った土着的な重さを感じさせるすごい背景画、魅力的で、他にはどこにもいない水木漫画ならではのキャラクターたち、そして軽妙、ユーモラスにしてオリジナリティ溢れる世界観。
私が子供の頃見た漫画たちは、今も燦然たる輝きを放って、私を圧倒してくれました。
美術展の楽しみには、ミュージアムショップを見ることも含まれます。
今回の展覧会でも、実にさまざまな水木グッズが所狭しと並べられ、見ているだけで楽しくなりました。
どれもこれもほしいものばかりですが、そうも言っていられません。我が家には鬼太郎とねずみ男の貯金箱がありましたが、今回は目玉おやじと猫娘を買い、コレクションに追加。展覧会の図録も買い求め、幸せな気持ちで美術館を後にした、この日の結城でした。
美術館の外には青空と、汗ばむほどの陽気が広がっていました。